広告に囲まれる日常と私たちの選択

スマートフォンを開けばアプリ広告、インターネットを開けばWEB広告、YouTubeを開けば動画広告と、私たちの周囲には広告があふれています。デジタル化が進むことで、広告のあり方も大きく変わってきました。かつてはテレビやラジオ、雑誌といった限られたメディアが主流でしたが、現在はインターネットが広告媒体の多様化を大きく促進しています。

インターネットに接続しない限り広告は表示されませんが、現代では多くのアプリやソフトウェアがネット接続を前提としています。特に、無料で提供されているアプリやサービスでは、広告が収益源となっているため、広告が表示されるのは「仕方がない」とも言える状況です。その代わり、広告を非表示にするために有料版への移行を促すアプリも多く見られます。

近年のインターネット広告は、ユーザーの行動や嗜好を分析し、パーソナライズされた形で表示されることが一般的です。しかし、同じ広告が何度も表示されたり、興味のない広告が頻繁に目に入ることで、不快に感じることも少なくありません。

たとえば、当社では道路交通法の改正により義務化されたアルコールチェックを行うために、アルコールチェッカーを購入し、それに連動するアプリを利用していました。当初は問題なく使えていたのですが、徐々に広告の露出が増えてきました。最初は小さなバナー広告が表示される程度でしたが、次第にアプリ起動時にポップアップ広告が出現し、さらには機能を使う際に30秒間の動画広告を見る必要があるという状態に。無料ゲームではないのですから、この状況には不満を感じました。バージョンアップのたびに広告が増え、最終的には広告を非表示にするには有料版を購入する必要があるという「手口」に嫌悪感を抱き、業務で使用するレベルではないと判断して、別のメーカーの製品に切り替えることにしました。

一方で、広告を「受ける側」だけでなく、「使う側」となることもあります。たとえば、フェムテックやペットビジネスの分野では、商品やサービスを広めるために検索エンジンや地図アプリで広告を出すことが重要です。広告を出さなければ、膨大な情報があふれるネット上でユーザーに見つけてもらえず、売上に繋がらないからです。

上のようにユーザーとして広告を避けたい一方で、事業者としては広告がなければ製品やサービスが見つけてもらえない現実もあります。今後も広告は無くそうとも無くせないものでです。広告に惑わされず、正しい判断をして、広告を使ったり、利用したりしていきたいものです。

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