経営陣の責任
先週、株主総会も済み、今期を如何に充実させることが課題にあります。
新分野への挑戦もいくつか進めていますが、既存の稼ぎでチャレンジできていることを考えると、新規も既存も含め満遍なく成長させて行かなければならないということに気付かされます。 しかし、国内売上の伸び悩みに頭を悩ませています。 長引く円安による物価高、購買力の低下、輸出で潤っている企業もあれば、国内で苦しんでいる企業もあります。当社も部門ごと国内海外の工場単位で見てると、プラスに伸びている工場とマイナスになっている工場と、その差が大きくなりつつあります。
その差を埋めることが課題であり、プラスになる所をよく見極め投資をしていき、マイナスになっている所をよく分析していち早く是正していくことが、経営陣の役割(仕事)であると考えます。 ちょうど日産自動車のリストラ報道で視聴者の口コミに、上の失態を下に押し付けるのか! 回復させられなかった社長の責任、経営陣の責任だと、厳しいコメントが目立ちました。
メディアは、旧態依然とした体制が招いた結果だと批判をしていましたが、ゴーンさんの経営改革の時代から何も変わっていないかというと、そうでもないと思います。 常日頃、やり方やプランを見直したり、PDCAを回して改革を行なっていたことでしょうし、幹部の長時間残業も問題視されていましたが、それだけ自分たちの会社を良くしていこうという形には変わりありません。 ただ、その努力が数字として達成されなかった。 結果が全ての外資企業であれば、そこでトップ交代となります。
成果が上がらないのは、やり方が悪いから。 先日ちょうど新人研修を行った際に、私が講義した研修資料の中にも同じことが書いてありました。 しかし、それだけの大手メーカーとなれば、私が考えている以上に、複雑なことが絡み合っていて、なかなか改善が成果に結びつかないのでしょう。 私も日産車を愛用していますし、昔から日産のファンなので、またフェラレディZのような斬新で憧れの車作りができる企業に復活することを心から願っております。
ちょうど夏前まで受けていた経営者塾の講師の先生も、10年前に外資企業の日本法人の社長を任された時は、ほぼ家に帰れずに昼夜世界中を飛び回っていたと話していました。 そのせいで家庭は崩壊寸前、体調も崩してしまった為に、1期(2年)で社長を降りましたが、それだけ働いても本社(米国)が要求する数字を達成させることが困難だったと話してくれました。
我々中小企業は、特に今ある現状に目が行きがちで、上手く行っていないと焦りと心配で心が支配されてしまいます。 その度に一喜一憂してもしょうがないと言われたらそれまでですが、今ある現状を追うことでこそ、人は努力することが出来ますし、臭うものに蓋をせずに、いち早く是正していくことでしか、長期的にも会社は成長して行けないと考えます。 ヒヤリハットと同じように、小さなヒヤリを疎かにしていると大きな事故に繋がるのと同じです。
結論から離れてしましましたが、会社の数字が良くならないのは、執行を任されている経営陣の責任であり、経営陣のやり方と選択が間違っていることにあります。 それを誰かのせい、世の中のせい、景気のせい、にと逃げずに、真っ向から立ち向かって行ける経営者にならなければならいということでしょう。 それを支えるのが、地道な努力、日々の反省、地道な改善ですね。