継続の力

先日経営者セミナーに参加した際に、受講者の一人の社長さんの発表に、他の受講者から「どうすれば強い営業組織が作れるのでしょうか?」と質問がありました。 私の知る限りでも、こちらの会社さんは小売が中心の全国に支店を持ち、50人以上の営業マンがしのぎを削って営業活動を行っています。 その社長さんの回答は、「これと言って秘訣はありませんが、毎月必ず全国に散らばっている営業マンを東京の本社に集めて、社長も役員も全て参加して面と向かって一人一人と話し合う営業会議ですかね」
そこで一人一人が抱えている案件や客先情報、次の行動を話し合って決めています。 毎月営業マンを全国から集めと当然移動費や宿泊費など経費が嵩みますが、創業から数十年ずっと続けており、コロナ禍でさえも多少縮小はしたが続けていました。 詳細なことまでは話されていませんでしたが、会議の内容や方法など他にも様々な工夫や変化があると思いますが、業績が良い月も悪い月も同じように続けていくこと、それが蓄積であり、その会社のノウハウなのでしょう。
他にも例を上げていましたが、アイリスオーヤマが毎週月曜に行っている新商品開発会議のことは皆さんも知っていると思いますが、その関係者の人が言うには、その開発会議がアイリスオーヤマの強みであり、どこの企業も真似をしようとしますが、どこも絶対に続けられずに辞めてしまうとのことです。 先ほどの強い営業組織を作ろうと他社が真似ても、絶対に続けられないと話していました。
そう見ますと、当社にも長年続けてきた事がたくさんあります。 例えば毎朝の朝礼や挨拶訓練なども、他の会社が真似をしようとしても、恐らく長続きはしないでしょう。 半年〜1年はやれたとしても、5年、10年と毎朝やり続け、朝礼の内容も定期的に変えていくシステムを当たり前としてやれていることです。 この朝礼は当社のノウハウですし、海外工場も同じ仕組みがあり、年に1回声の大きさや姿勢など各工場で競いあっています。 他にも、朝の清掃や朝の立ち上げ作業、コンテナ作業もそうです。 清掃は役員も含め全員でやるし、立ち上げは朝礼までに始動させるのがルールにあり、コンテナ作業も、バラ積みでめいいっぱい入れることなど、先輩から引き継がれた仕事のやり方や良き文化を守り、その上で皆で考え、少しづづ良いやり方に工夫している点も強みとなります。他にも部門別分析や委員会活動など、数えればいくらでも出てきます。
それら企業としての強みは、足し算では無く、掛け算で掛け合わされて行くため、ライバル企業や新規参入企業が真似しても、なかなか差が埋まらないものです。 しかし、そんな成功モデルや文化の上でゆうゆうとあぐらを掻いていたら、気づいたらライバル企業に抜かれてしまいます。 ライバルにも長年培われてきた強みがあるということです。
その為に、当社の強みをもっと深掘りし、整理して、強化していく、そして常に新しい製品とサービスを追い求めて行かなければならないということです。

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