和を以て

「和を以て貴(たっと)しとなす」
和を以て尊しとも言いますが、聖徳太子が十七条憲法 第1条にて説いています。
意味としては、「和をなによりも大切なものとしなさい」と言っていますが、今から1400年前にして、既に憲法の1条目に「和」を説くだけに、遥か昔から人と人との関係が仲良くないと決めることも何も決まらないということなのでしょう。
私がやっている日本古来の音楽である雅楽も、この和を大切にしていると感じます。 他の音楽も一緒でしょうが、周りの音を良く聞いて、自分の演奏を合わせることで、綺麗な音色となっていきます。 特に私が吹く笙は、合竹から和音を奏でる楽器であり、周りの楽器の音が良く聞けます。 篳篥がちょっと速いとか、龍笛がちょっと遅れてるとかです。 ある雅楽の先生が言うには、雅楽をやっている子供たちは素直な子が多いと話していました。 吹奏楽や団体スポーツもそうでしょうが、雅楽は自分が前に前に出ると言うより、上手な子も下手な子も、みなで音を作り出すというイメージが強い気がします。 調和(ハーモニー)というものでしょうが、仲間に合わせてチームワークを養うには、雅楽はうってつけのような気がします。 最近皆が一生懸命に練習してくれるので、本当に嬉しいことです。
人生を歩むうえで一番大切なことは、心を磨くことだと思います。 心を磨くと言うと、一番身近に感じるのは我慢することなのでしょう。 先週1週間は、内の娘が突発性発疹となり40度の高熱が3日間も続き、娘の機嫌もすこぶる悪い状態が続きました。 起きている時はずっとぐづっており、朝から晩まで悲鳴にも似たように泣き叫んでいました。さすがにそんな状態が3日も4日も続いていたら、妻もかなりのストレスでイライラしていました。 私は、日中は仕事に行っているので、娘の苦しい泣き声を聞かなくても良いので未だマシでしょうが、3日目にイライラする妻とちょっとした売り言葉と買い言葉で喧嘩になってしまい、家庭内の雰囲気は最悪な状態となりました。 しかし、病気で苦しむ娘を看病する妻の方が大変かと思い、私の方から折れて謝り、今は仲直りをしていますが、お互い一つ屋根の下で毎日顔を合わせる生活を送っていると、イライラがあっても我慢をすることで、お互いに和を以て過ごすことができのでしょう。 結婚して7年が経ち、ヤンチャな子供が2人もいると、ついつい我慢より先にキツイ言葉が出てしまいます。
家庭でも職場でも、日々皆何かしらの心身のトラブルを抱えており、常に穏やかな気持ちでいるのはなかなか難しいことですが、それでも「和を以て貴しとなす」を意識して送りたいものですね。

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