中国出張

中国へ行ってきました。
コロナ前から行っていなかったので、現地の責任者からは「4年ぶりですね」と言われたほど暫く行けていませんでした。 華南に用事があったので主に恵州工場へ行きましたが、数年ぶりの恵州に街の様子が様変わりしているのに驚きました。 数年前は工事中だった東莞や広州を結ぶ電車も開通し、郊外にも高層マンションが次々に建っていました。昔は西湖周辺だけが発展していましたが、通勤電車の開通により郊外にまで人が流れるようになったのでしょう。 また緑ナンバー(エンジン車は白ナンバー)の電気自動車(EV)の数が多いこと。 タクシーや路面バスなど公共機関は全て電気自動車となっており、1トン未満の配送用のトラックもEVがメインでした。 深圳を本拠地とするBYDが近郊にありますが、それでも政府主導でなければここまでEV車が普及しないだろうと思います。 その為か、中国にはEV車メーカーが100社以上あると言われているように、様々な車種が街中を走っていました。 恵州工場のドライバーに聞いても、どれがどこのメーカーか数が多過ぎて分からないと言っていました。また、以前は海外の自動車メーカーと合弁していた広州汽車や上海汽車も、独自に会社を作りEV車製造に乗り出しており、近代的で斬新なデザインを次々に出していました。 デザインは、上海にあるテスラにどことなく似ているという印象も残りますが、これだけの中国系カーメーカーができれば、日本車やドイツ車(VW)などが中国で売れなくなっている実情もよく分かります。将来的には淘汰されていくと思いますが、EV御三家と言われる「小鵬汽車」「理想汽車」「蔚来汽車」など、2015年以降に出た新興EVメーカーが世界に打って出る時代も近いでしょう。 これだけEV市場が広がる中国でも、やはり景気が悪いのは気掛かりです。 現地のスタッフや訪問した客先に尋ねても、皆口を揃えて注文が減って大変ですという答えが返って来ました。 私も恵州工場のスタッフたちには発破をかけて来ましたが、あの手この手と考えなければ回復しません。しかし、私なりに見て感じたことは、中国はモノを作る力があります。 原材料から部品製造、完成品まで繋がるサプライヤーズチェーンが他国より遥かに構築されています。 製造業に従事する人数も多いという理由もありますが、一人一人の能力も高いし工夫しようと考える力もあります。 例えば、製造設備一つとっても、モーターはこれ、ギアはこれなど、進んでオーダーメイドで答えてくれる会社がいくつもあります。 知識が無ければ粗悪品も掴まされますが、しっかりと仕様を固めれば質の良い設備が安価で作れるのも中国です。 この力を上手に生かすことが出来れば、まだまだチャンスはあるのではと感じました。

関連記事一覧