自覚と習慣
工場へ行って、全社員に安全への重要さについて説いてきました。
私の経験を織り交ぜて人命と安全に対する自覚を伝えてきました。
工場も各地域にあり1から10まで見ることは出来ません。私の出来ることと言えば、そこで働く仲間たちに想いを伝えることだけで、皆が行動に移して貰うまで、言い続けることしかできません。
私がよく使う「アイスバーグ理論」にあるように、結果は海面の上に浮かぶ一部だけで、その結果に対する大きな因果関係は全て海面に潜っています。(上の絵を見てください)
大半の人は、悪い結果は「能力」や「スキル」が足りなかったと考えますが、その下には「習慣・行動」があり、そのまた下には「意識・想い・人生観」があり、そちらの方が何倍にも大きいことです。
例えば、電柱を登って作業をする電気業者が、全員に家族の写真を携帯させました。 その結果、怪我や死亡事故が無くなりました。 写真を携帯させる前も、口うるさく命綱を必ず付けるように教育をしていましたが、誰かしらは面倒くさがって付けない人がいました。 しかし自分には守るべき家族がいる、怪我をしたら悲しむ家族がいると意識させることで、何も言わくても全員が命綱を付けるようになりました。 転落事故を無くすには、全員の能力とスキルを上げることです。 命綱を付ける習慣で大きな怪我や死亡事故を防ぐことができます。それを全員に守らせるのが意識・想いを変えることなのです。 しかし、なかなか人の「意識・想い・人生観」を変えることは容易にできませんし、一時は変わったとしても、また時間が経つと緩んできてしまいます。その為に、安全確認を習慣化させることが出来れば、行動により意識を変えていくことも可能です。 ある大手製造メーカーの社員間の挨拶は全て「ご安全に」でした。何事も習慣を作ることが一番大切だと言えます。 工場の仕事は、何かしらの危険が付きまといます。 経営者・事業所長・工場長・部門長たちの責務は、絶対に労働災害を起こさない、起こさせないことです。