危険予知
危険予知トレーニング(KYT)、建設現場や製造現場で行うKY活動とも言われています。当社の総監が、今回起きた事故の事を書かれていますので詳細は書きませんが、怪我人が出なかったというのは、神様がお働きくだされたと本当に感謝する次第です。
作業を行う上で、誰しもが怪我をしたい、事故を起こしたいとは思っていません。では「なぜ」事故や怪我をしてしまうかと言うと、危険予知・危険予測が出来ていないからと言えるでしょう。
労働災害が発生する直接な原因は「不安全な状態」と「不安全な行動」によるものです。
「不安全な状態」とは、事故や災害を起こしそうな状態を意味しており、例えば、機械の設計不良や荷物の積み方の欠陥、作業手順の誤りなどです。
しかし、この「不安定な状態」で引き起こす事故より、ヒューマンエラーと呼ばれている不注意による「不安全な行動」が、事故を発生させる9割以上の原因を占めているとのことです。
この不安全な行動には、「ヒューマンエラー」と「リスクテイキング」の2種類に分かれています。
ヒューマンエラー リスクテイキング
・見間違い、聞き間違い ・面倒だから
・物忘れ(一時的) ・多分大丈夫だろう
・無意識な動作 ・少しだけだから
・うっかりして ・皆やってる
・ぼんやりして
これら「不安全行動」を行ってしまう心理状態を事前に明らかにして、作業者自身が対策を考え実行する安全活動のことを、危険予知活動(KY活動)といいます。
当社の安全委員会も提唱しているこのKY活動ですが、日頃より危険予知トレーニング(KYT)をチームで行なっていく方法です。 例えば、蛍光灯を取替える作業を想定して、どんな危険がひそんでいるのかチームで話し合います。
・素手で金具を触って熱くなって思わずのけぞって転落する。
・急いで取り替えようと思って早足で登って足を踏み外す。
・周りで掃除をしている人が誤って脚立にぶつかって脚立が倒れる。
このような危険予測や怪我の程度をチームで荒ざらい出していき、危険となるポイントを絞っていくと、どのような安全確認や作業準備をしなければならないのか、どのような心構えで作業を行うべきかの意識付けが作業者に芽生えていきます。
先日電車の先頭車両に乗った際に、電車の運転手が前方を常々指差し確認をしているのを見ました。信号機が青色か、踏切内は安全か、数百メートル離れた信号や踏切に向かって必ず指差し確認を行なって安全確認をしていました。数百人の乗客の命を預かっているだから、当たり前と言われるかもしれませんが、常日頃繰り返し繰り返し行うことで、周りに人がいなくても、習慣となって行動するものです。
ISOのリスクアセスメントにも含まれますが、事故を起こさぬように日頃からの教育と行動こそが習慣となり、安全第一に繋がるのです。