引き継ぐ

民法での相続に、現金・預貯金や土地建物などの不動産・動産ともに、亡くなった人(被相続人)から配偶者や子供(相続人)が相続します。 相続人が利益に繋がる財産を正の遺産とすると、被相続人が残した借金など負の遺産とします。 相続人は、生の遺産も引き継ぎますが、負の遺産もあれば一緒に引き継がなければなりません。 法律には、相続放棄という手段もありますが、それはここでは置いておきます。 相続には、利益に繋がる物だけでなく、住宅ローンなど多かれ少なかれ負の遺産も付いて来るものです。 会社で退職した先輩(前任者)から担当や業務を引き継ぐ事も同じです。大抵は、前任者が退職してから1年くらいで問題が発生するものです。 引き継ぎがしっかり行われなかった場合や、前任者が安易に受注してしまったなど原因は様々ですが、そんな時、皆が口を揃えて言うのが、「前任の◯◯さんがやった事なので・・・」てな具合で、責任を全て前任者のせいにしてしまいます。 それって違いますよね。相続でも触れたように、「正の遺産も負の遺産も全て引き継いだのだから、今やっているあなたの責任ですよ」という事です。 それなら、問題が起きた事は全て前任者が悪いとしたら、前任者が開拓した優良顧客や利益率の高い製品も全て前任者の成果となるので、あなたの成果では無いですよね。
そういう結論になってしまいます。
中国に「井戸を掘った人を忘れない」という諺(ことわざ)があります。
井戸水を飲む時に、井戸を掘った人の苦労を思って大切にしなさい、という意味です。
それを、井戸を大きくして飲料水を増やしたのは私の功績だとか、井戸が枯渇したのは掘った人の場所選びが悪い、など良い事は自分の手柄、悪い事は人のせい。 流石にそんな虫がいい事を言う人は当社にはいませんが、それに近い言い訳を聞くケースがあります。
前々回のブログの民法で、「善意」と「悪意」を説明しましたが、善意:後任者が真に知らなかった善意無過失であれば許されますが、大抵は、善意有過失(落ち度がある)や悪意(知っていた)ケースが大半なので、前任者悪いで済ます事は出来ないですよね。

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