文化と宗教を学ぶ
ハサン中田考先生にお会いして来ました。
中田先生は、日本のウラマー(イスラム教の知識人・イスラム法学者)
東京大学イスラム学科卒業、カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了、
同志社大学教授、在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、またでイスラム国へ独自で交渉を続けられた先生です。
当社もインドネシアに工場を持ち、研修生や社内転勤者など、率先してインドネシアの人たちの雇用を行なっていますが、私自身イスラム教の知識は乏しい。
今回は中田先生にイスラムの教えの基礎からご教授していただきました。
イスラム教は、組織が無い!
信者登録も無く、日本には17万人ほどいるとの事ですが、正確な人数は不明。
世界では、19億人いるとネットでは書かれていますが、それも定かではない。
ムスリム(イスラーム教徒)になるには、一人でも良いし、他のムスリムと一緒でも良いし、信仰告白(シャハーダ)の言葉を口に出して唱えるだけ。
実際に、中田先生と一緒に来られた方(学生の方)は、学校の寮の自分部屋で開宗した、レストランで中田先生と会って信仰し始めたなど、様々でした。
信仰についても自由。戒律が生活習慣に溶け込んでいますが、遵守するのも守らないも多様とのこと。
中田先生曰く、人類は皆アダムから生まれた者であり、生まれながらにイスラムである。 信仰していない人たちは、未だ正確な知識を教えて貰っていないから。
他にも、組織が無いから強要もされない。
人に優しくする。
貧しい人がいれば、自分の意思で助けてあげる。
モスクに行っても、お賽銭などの集金がないので、モスク運営は、人が集まった時に売店が出て、そこでの売上が運営費となる。
上下関係が無いので、ムスリムは皆横並び。
信者を増やす目標も無いので、皆が集まっても、ゆる〜い時間が過ぎていくといった感じでした。
他の宗教は信者が減っている中、イスラム教だけが信者を増やしている。 それも若い人たちの信仰が増えています。中田先生にお会いし、イスラムの雰囲気に触れる事で、何となくその理由が分かった気がしました。
海外に比べると、日本人は宗教についての知識が極端に低いと言われてしまっています。 我々が他国の習慣・文化である宗教を学び理解を深める事が、海外の人たちが安心して来れる国になることでしょう。