徳積み
今回は、リオ五輪の柔道73kg級にて金メダルを取った大野将平選手の話です。
大野将平選手の母校である天理大学の深谷理事長が、
オリンピック前に大野選手と食事をする機会があった。
その時に深谷理事長が、大野選手にこのような話をしたという。
「大野選手はメダル候補で注目されているが、世の中には強い柔道家がたくさんいるが、
その中で、真の柔道家が何人いるのか?」
「強いだけでは金メダルは取れない!そうだ、大野君リオに行ったらゴミ拾いをしなさい!」
大野選手、この言葉に素直に「ハイ」と言って、ブラジルに渡ったという。
その後、大野選手がリオ五輪で金メダルを取ったのだが、
約束通りにゴミ拾いをしたかは誰も知らない。
金メダルを取った後に、五輪柔道の井上監督のインタビューに、
「大野選手は、リオでの練習後に帰り道や選手村でペットボトルを山ほど拾っていた!」
たまたま井上監督が選手村に戻る時に、一人ゴミ拾いをしている大野選手の姿を見たのである。
当時の新聞にも、「徳積み柔道家・大野将平金メダル」と見出しが出ました。
監督からも、オリンピック前で選手がピリピリしている中で、大野選手は穏やかにゴミ拾いをしていた。
そんな事が出来る選手は彼だけだろう!
スポーツ選手としても人として将来素晴らしい人間になる。
帰国した大野選手は恥ずかしながら、「監督に見られてましたか!」と答えていますが、
正に「徳積み」です。
世の中、強いスポーツ選手や、仕事の出来る人など、実力を持った人はいくらでもいます。
ただ、引退までファンに好かれる選手や、定年までお客様に愛される営業マンなど
最後まで優秀でいられる人は、どれだけいるでしょうか?
そう言った人は、「誠実」を貫き通している。
この「お得を積む」を日々実践されている人でしょう。
人が見ていなくても、神は常に見ている。
「陰徳」という言葉がありますが、善い事も悪い事も、誰も周りで見ていなくても
神様は必ず見ていて、いつかそれが自分に返ってきます。