考えさせられる
2002年7月1日に起きたユーバリンゲン空中衝突事故のドキュメンタリー番組がテレビで放送されてました。 ロシアのバシキール航空便と、貨物機DHL便がドイツのユーバリンゲン上空で衝突し、両機に搭乗していた71人全員が死亡するという、最悪の民間航空機事故です。
事故原因は、当時最新の衝突防止装置(TCAS)が両機に搭載されていたのだが、DHL機はTCASの指示に従ったが、パシキール便は管制官の誤った指示に従った。理由は、DHLはマニュアルにはTCASの指示に必ず従うものとなっていたが、パシキール航空は、最終的には管制官の指示に従うと、各社マニュアルがバラバラとなっていた。
(この事故後は、TCASの指示に従うことと、世界標準になった)
他にも、管制官は夜間も常に2人体制で行う規定となっていたが、管制を請け負っていたスカイガイド社は、一人が長い休憩を取る事を、会社として黙認していた。(事故当時、管制官一人で対応していた)
これら以外にも、担当者や他のスタッフの過失もあったのだが、それを主る会社組織や経営陣にも問題があった。
また、この事故の結末は、遺族がこの管制官を刺殺する殺人事件で幕を閉じた。
最愛なる家族を失った遺族としては、過失でも許せるものではない。
殺人を起こした遺族(妻と2人の子供を同時に亡くした父親)も、刑期を終えた後のコメントに、「報復しても家族は返らないし、自分の心も晴れないもの。」と、恨みを恨みで返しても、何の解決はしない。 しかしこの父親は、管制官やスカイガイド社に、しっかりと謝罪をして欲しかったと、動機を述べている。
この番組を見て、会社として過ちを犯したら、世間体や存続が危うくなろうが、しっかりと謝罪をし、再発防止に努めなければならない。 また、規則やルールを守らないスタッフを必ず是正すること。
最近、悲しい自動車事故がクローズアップされていますが、
罪を認め、償い、悲しい惨劇を繰り返さない為に皆でしっかりと考える。
個人であっても会社であっても、それが社会への揺ぎない義務でしょう。