技能実習生
NHK教育テレビで、日本に来ている外国人技能実習生のドキュメント番組が放送されていたので、ついつい見入ってしまいました。 当社も、ベトナムとインドネシアから技能実習生を迎え入れており、彼ら彼女らが製造の戦力になっているのも実情にあります。
日本には約40万人の技能実習生が働いているという。 しかし、このコロナが原因で、約4万5千人が自国に帰国したくても出来ない状況が続いているといいます。 特にベトナムの実習生は、ベトナムが海外からの入国を一切止めてしまっており、自分の両親や家族に会いたくても、会えない状況が今も続いています。私感ですが、なんでベトナム政府は、自国民でさえも入国を認めてあげないのか?っと残念に思うばかりです。
技能実習ビザは3年間ありますが、今回の帰国困難者に対しては、6ヶ月、90日と特定活動ビザを入国管理局が発行していますが、現状は、企業側もコロナ不景気での解雇や倒産など、継続して同じ仕事が出来ない子達も多くいるようです。 また、技能実習ビザは、そもそも決められた職種での制限がかかっており、転職は認められていない。 その為、受入先企業の職場環境が悪くても、そこで我慢して働くか、同じ職種で受け入れてくれる企業を探さなければなりません。 中には、暴力を振るわれたり、上司からセクハラを受けたりと、外国人に対する偏見が少なからず残っているというのも現実です。 それに助長して、SNSやFacebookなどで、実習生間でのコミュニティーがあり、その内容の大半は、どこどこでいくら貰える仕事があるなど、就職斡旋の内容がたくさん書き込まれている。しかし、実際にその仕事を行うと、提示された金額より遥かに少ない額だったり、給料が支払われなかったり、斡旋者に高いピンハネをしたりと、外国人同士で詐欺まがいなことが横行しています。
また、受入企業から解雇され、職を失いお金が無い子達もこのコロナ禍で増えており、番組内では、夜な夜な川で蛙を捕まえて、「これが今夜のご飯です」と微笑むベトナム人女性の姿が衝撃的でした。
仕事を失くして社会保険も入れず、体調が悪くても病院へ行くのを我慢する子達もいて、症状が悪化し取り返しのつかないことになる子もいます。
技能実習生は、18歳〜30歳までと年齢制限があり、日本に来る実習生の大半は20歳前半の若者たちです。
地域によっては、多額の借金をして日本へ来る子もいて、日本で仕事をしてその借金を返済して行かなければなりません。 借金へのストレス、日本人でさえも混乱しているコロナ禍で、20歳そこそこの若い子たちが、帰国もままならずに、言葉も分からない異国で不安な日々を過ごしている、そんな状況が早く好転するように、また自由に帰国ができるようなることを、本当に願うばかりです。
たくさんの困った子達に手を差し出す事は正直出来ません、それでも、当社で働いてくれている実習生たちには、ここで働けて良かったなっと思ってくれる環境は整えて行かなければいけないと思うばかりです。
先日、当社からインドネシアの実習生が、3年間の実習期間を終えて帰国して行きました。 とても素直な子であり、私としては延長して欲しかったのですが、国に帰って結婚すると別れを惜しむように涙ながらに話してくれました。
「3年間ありがとう御座いました」とお別れ会でスピーチしてくれた彼が、当社で学んだ事を今後生かして、幸せになって欲しいと心から願っています。